熊鈴日記

はじめたばかりの狩猟のことをメインに、山で生きるさまざまなこと

笹小屋のレクリエーション!

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笹小屋の修復が一日目で完了したので、二日目は笹小屋の周りでレクリエーションをすることにした。
ハード面での再生はもちろん、笹小屋の使い方や楽しみ方といったソフト面も再生することが大事なように思う。せっかく天気もよく気持ちが良い朝だったので、この周りでできる遊びを少し考えてみた。

まずは、森の観察だ。
笹小屋の周りは混合樹林(※1)で、針葉樹も広葉樹も豊富である。そこかしこにドングリや栗がころころ落ちていたり、杉の葉が落ちている。
自生している木、植えた木、切らずに残している木、そういった様々な木が混じり合いできたこの森を見上げると、先人の知恵や考えがあって森がつくられていることがうかがえる。
栗を切らずに残しておいて実を食べたり、ひのきは周りの家や小屋を建てる時に使った。植えた杉で木材をとったり、葉で火をおこしたりしたのだ。

ただ地面に落ちているだけに見えるものが、山の恵みとして生活を助けてくれる。
「こんな山の中でも、周りにあるもので充分人間らしい活動ができるぞ!」ということを知ってもらいたくて、油分が豊富で燃えやすい杉の葉を火口にして焚き火をし、お茶を淹れて飲むことにした。

小屋の囲炉裏で火を焚くと、もくもくと屋根の隙間から立ち上った煙に陽光があたって美しい。
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時間があれば、山栗を拾って火の中にいれ、少し温めて食べてもよかっただろう。今年は山も里も栗が豊作だ。

沸いたお湯でお茶を淹れて、参加してくださった地元の方が差し入れて下さった手作りおはぎで一服。
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左がおはぎをつくってくれた六合の方、右が作家の熊谷雅さん。

なめとこ山のような森のなかでのひとときを満喫した。
紅葉が深くなれば、また一段と美しいにちがいない。

季節ごとに考えつく楽しみは限りない。春はスミレなどの山の野草を観察したりしてもいいし、夏はツリークライミングをしてひんやりした樹肌に抱きつくのも気持ちよさそうだ。秋は紅葉狩り、冬は狩猟。などなど。
自然は厳しい反面、楽しいことや美味しいこともたくさんあることが実感できた。そんな楽しみを、地元の人とも訪れてくれた人とも楽しみたい。
楽しんでやることで、再生できる文化があるはずだ。暮らしに直結する文化ほど、楽しむ事と親和性が高いのではないかと踏んでいる。

中之条ビエンナーレや地元の皆さんのおかげで、今回の笹小屋再生プロジェクトが大成功し、これからの活用の幅を広げることができた。
改めて、大きな感謝を。
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今回の笹小屋再生プロジェクト(9.28/29)の報告は、ひとまず一区切りとなります。
笹小屋再生プロジェクトの経緯は、タグの「笹小屋プロジェクト」からご覧になれますので、ぜひご併せてお読み下さい。






※1)常緑広葉樹、常緑針葉樹、落葉広葉樹、落葉常緑樹が混ざり合った樹林帯

(c) bearbell 2013